- 筋トレは健康にいいって本当?
- 筋トレって具体的に何が健康にいいの?
この記事を読んでいる人の多くはこう考えていることでしょう。
そこで今回は筋トレが具体的にどのように健康に良いのか解説していきます。
※今回の記事は説明が多くなるので少し読みずらい方もいらっしゃるかもしれません。できるだけわかりやすくまとめたつもりですが、読みずらい場合は緑のマーカー等で重要なところをマークしていますので、とりあえず色のついたところだけ読んでいただければ要点は理解していただけます!気楽に読んでください^_^
1.食生活の改善
筋トレを始めると必ず栄養素や食事バランスについて考えるようになります。
なぜなら、筋肉をつける上でトレーニングと同じくらい食事管理が大切であるからです。
実はこれは筋トレ界隈では常識のことなのです。
どれだけ質の高いトレーニングを行っても、食事の質が悪いと効率よく筋肉はつきません。もちろんその逆も同様です。
私自身、筋トレを始める前は食事バランスや摂取カロリー等、特に気にしたことがありませんでしたが、今では何かを買うときは必ず商品の栄養成分表を見るようになりました。
さらに、食生活を管理することで肌も整い、肌荒れの改善・防止も期待できます。私自身肌荒れで悩んでいたのですが、食事を意識することで肌荒れやニキビが明らかに減りました。
日々の食生活を意識することで健康状態の向上が期待されるのです。
「食事管理と言ってもどのように管理すれば良いかわからない」という人のために、
食事管理の方法については下の記事で詳しくまとめましたのでそちらを参考にしてみてください。
2.心血管系の健康改善
ここでは筋トレが心血管系の健康改善に効果的であることを根拠とともに解説していきます。
1. 血圧の改善
根拠: 筋トレは血管の機能を向上させることが多くの研究で示されています。例えば、2014年の「Journal of Human Hypertension」に掲載された研究では、筋トレが高血圧患者の血圧を効果的に下げることが確認されています。
説明: 筋トレを行うことで、筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、血液が効率よく全身に送り出されます。これにより、心臓が血液を送り出す際の抵抗が減り、血圧が安定します。筋トレはまた、血管の柔軟性を高め、血流を改善します。このプロセスにより、血圧の調整が容易になり、高血圧のリスクを減少させることができます。
2. コレステロールの改善
根拠: 筋トレはHDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを減らす効果があることが研究で示されています。例えば、アメリカ心臓協会の「Circulation」誌に掲載された研究では、筋トレが血中の脂質プロファイルを改善することが確認されています。
説明: 筋トレにより、体内の脂質代謝が促進されます。HDLコレステロールは動脈内の余分なコレステロールを肝臓に運び、排出を助ける働きをします。一方、LDLコレステロールは動脈壁にコレステロールを蓄積させ、動脈硬化の原因となります。筋トレによってHDLが増加し、LDLが減少することで、動脈の健康が保たれ、心血管疾患のリスクが低減されます。
3. 心肺機能の向上
根拠: 筋トレが心肺機能を向上させることは多くの研究で示されています。例えば、2019年の「Journal of Strength and Conditioning Research」に掲載された研究では、筋トレが心肺機能を向上させることが確認されています。
説明: 筋トレを行うことで、心臓と肺がより効率的に働くようになります。筋肉が鍛えられると、酸素を効率よく利用できるようになるため、全身に酸素を供給する能力が向上します。これにより、運動中や日常生活での体力が向上し、持久力が増します。また、心肺機能が強化されることで、心臓のポンプ機能が改善され、酸素を全身に供給する能力が向上します。これが、心血管系の健康維持に大いに役立ちます。
3.基礎代謝の向上
そもそも基礎代謝とは
基礎代謝(Basal Metabolic Rate, BMR)は、安静にしている状態で消費されるエネルギー量を指します。これは心臓の鼓動、呼吸、体温維持など、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量です。
これから、筋トレによって基礎代謝が向上する根拠を以下に説明したいと思います。
1.筋肉量の増加
- 根拠: 筋肉組織は脂肪組織よりも多くのエネルギーを消費します。筋トレを行うことで筋肉量が増加し、基礎代謝が向上します。研究では、筋肉1kgあたり1日に約13~25 kcalのエネルギーを消費することが示されています 。
- 説明: 筋トレを通じて筋肉が増えると、日常的に消費するエネルギー量が増加します。筋肉はエネルギーを多く消費する組織であるため、筋肉量が増えることで基礎代謝も自然に高まります。
2.エネルギー消費の持続
- 根拠: 筋トレ後のリカバリー期間(運動後酸素消費、EPOC)では、体が通常よりも多くの酸素を消費し、エネルギーを消費します。この効果は、運動後数時間から数日間持続することが確認されています 。
- 説明: 筋トレは運動中だけでなく、運動後もエネルギー消費を促進します。これにより、基礎代謝が一時的に上昇し、総エネルギー消費量が増加します。EPOCの効果により、筋トレは基礎代謝を高めるために非常に効果的です。
3.ホルモンの変化
- 根拠: 筋トレは成長ホルモンやテストステロンの分泌を促進し、これらのホルモンは筋肉の成長と修復をサポートします。また、これらのホルモンは基礎代謝の向上にも寄与します 。
- 説明: 筋トレによってホルモンバランスが変わり、成長ホルモンやテストステロンの分泌が増加します。これらのホルモンは筋肉の増加を助けるだけでなく、基礎代謝を高める効果もあります。
4.インスリン感受性の改善
そもそもインスリン感受性とは
インスリン感受性は、体の細胞がインスリンにどれだけよく反応するかを示す指標です。インスリンは血糖値を調整するホルモンで、インスリン感受性が高いほど、体が効率よく血糖を利用できます。
以下で、筋トレとインスリン感受性の改善の関係について根拠を用いて詳しく説明していきます。
1.筋肉量の増加
- 根拠: 筋トレにより筋肉量が増えると、筋肉細胞が血糖を取り込む能力が高まります。筋肉は体の中で最も多くのグルコースを消費する組織であるため、筋肉量が増えると、全体的なインスリン感受性が向上します。
- 説明: 筋トレを行うことで筋肉が成長し、その結果として筋肉がより多くのグルコースを取り込みやすくなります。これにより、インスリンが効果的に機能し、血糖値が安定しやすくなります。
2.グルコース輸送体の増加
- 根拠: 筋トレは筋細胞内のグルコース輸送体(GLUT4)の数を増加させることが研究で示されています。GLUT4は、グルコースを細胞内に取り込むための重要なタンパク質です。
- 説明: 筋トレによりGLUT4の数が増えると、インスリンの作用で血液中のグルコースが効率よく筋細胞内に取り込まれるようになります。これが、インスリン感受性を高める要因の一つです。
3.ミトコンドリア機能の向上
- 根拠: 筋トレは筋細胞内のミトコンドリアの数と機能を向上させることが知られています。ミトコンドリアは細胞のエネルギー生産を担う小器官で、効率よくエネルギーを産生するために重要です。
- 説明: ミトコンドリアの機能が向上すると、筋細胞がグルコースを効率的に利用してエネルギーを生産できるようになります。これにより、インスリン感受性が向上し、血糖値のコントロールが改善されます。
4.炎症の軽減
- 根拠: 筋トレは慢性的な炎症を軽減する効果があることが研究で示されています。慢性的な炎症はインスリン抵抗性の原因の一つです。
- 説明: 筋トレを行うことで体内の炎症レベルが低下し、これによりインスリンの働きが改善されます。炎症が減少することで、細胞がインスリンに対して敏感になりやすくなります。
肉と骨の強化
筋トレは筋肉を強化するだけでなく、骨密度も高める効果があります。 加齢に伴い、筋肉量や骨密度は自然と減少しますが、筋トレを行うことでこれを遅らせることができます。特に、ウェイトリフティングやレジスタンスバンドを使ったトレーニングは、骨に適度な負荷をかけ、骨の成長を促進します。これにより、骨粗しょう症のリスクを低減し、骨折を防ぐことができます。
以下に筋トレが肉と骨の強化に関係する根拠を詳しく解説していきます。
1.筋繊維の肥大
- 根拠: 筋トレ(特にレジスタンストレーニング)は、筋繊維の断面積を増加させることが知られています。これは筋繊維の肥大(筋肥大)と呼ばれ、筋肉のサイズと力を増加させます。
- 説明: 筋トレを行うと、筋肉に微小な損傷が生じます。この損傷を修復する過程で、筋繊維が太くなり、筋肉全体が大きく強くなります。これが筋肥大です。
2.骨密度の向上
- 根拠: レジスタンストレーニングは骨に機械的な負荷をかけ、その反応として骨形成を促進します。これは骨密度の向上につながります。
- 説明: 筋トレによる負荷は骨に刺激を与えます。これにより、骨芽細胞が活性化し、骨の新陳代謝が促進され、骨密度が向上します。
3.骨のリモデリング
- 根拠: 筋トレは骨のリモデリングを促進し、骨の強度と質を改善することが研究で示されています。骨のリモデリングとは、古い骨が新しい骨に置き換わるプロセスです。
- 説明: 筋トレを行うことで、骨が適応し、より強くなるために新しい骨組織を生成します。このリモデリングプロセスは、骨を強化し、骨折のリスクを減少させます。
まとめ
筋トレを始めよう!
この記事を読んでいただけばわかるように、筋トレは健康の分野だけでも多大なるメリットがあります。今は健康であっても今の内から筋トレをすることで、よりカッコ良く健康的に年を重ねることができるでしょう!
さあ皆さん!ぜひ今日から筋トレを始めましょう!
もちろん筋トレのメリットは健康面だけではなく他の分野においても素晴らしい影響があります。「他にも筋トレのメリットが知りたい!」という方は以下の記事を参考にしてみてください。筋トレのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
参考文献
- American Council on Exercise (ACE) – How Much Muscle Can You Gain in One Month?
- Journal of Applied Physiology – Energy expenditure of the human body: measurements, norms, and recommendations
- International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism – Effect of resistance training on resting metabolic rate and its estimation by a bioelectrical impedance analysis
- Journal of Strength and Conditioning Research – Excess post-exercise oxygen consumption and energy expenditure following a weight training protocol in trained and untrained subjects
- Hormone Research in Paediatrics – Growth hormone response to resistance exercise in trained and untrained young men
- Endocrinology and Metabolism Clinics of North America – Testosterone and aging: clinical research directions
- Journal of Applied Physiology – Effects of resistance training on insulin sensitivity in healthy volunteers
- Diabetes Care – Effects of strength training on muscle mass and insulin sensitivity in older men
- Endocrinology and Metabolism Clinics of North America – Insulin sensitivity and muscle function: the role of resistance training
- Journal of Bone and Mineral Research – Effects of Resistance Training on Bone Density
- Medicine & Science in Sports & Exercise – Resistance Training and Muscle Hypertrophy
- Osteoporosis International – Exercise and bone mineral density
コメント